オジサン化する体と戦うために、ジムへ行く。
玄関に、大きな草履が3組?
更衣室に、浴衣のような服が置いてある??
安いジムなので、ロッカーがなく棚の上に置いてある。
ジム内に、まげを結った力士っぽい人が3人いる。
腕が太い。
どうやって戦おうか?
腹にパンチしても効かんだろうし、張り手は痛そうだし、
相手の腕の届かない所で、様子を見ようという結論に達する。
戦っていない・・・
むさ苦しいイメージだったが、爽やかな香水の匂いが漂っている。
ジムは行くけど、嫌い。
だって、苦しいことをする場所だから。
とっとと、やることをやって30分弱で帰る。
それでも、のべ6トンの重りを上げている。
更衣室の奥では、1人の力士がシャワーを浴びていた。
シャワーは直す気のない故障中で、水しか出ない。
着替え終わる頃、力士が出てきて体を拭き始める。
狭い部屋の中、裸の力士と2人きり・・・
がっしりした体だが、身長は僕くらい。
あそこの大きさは・・・よく見てないけど 勝ったかな?
いやいや、勝負の時になれば、逆転満塁ホームランかもしれない。
沈黙に耐えかねて、「お相撲さんですか?」と聞く。
「長野公演があるので、先乗りで来てるんです」と言う。
「しこ名は?」
「琴仁成(ことにんせい)です」と真摯に答えてくれる。
「頑張って下さい、応援してます」と言って、更衣室を出る。
帰って調べると、30歳で幕下へ上がったり落ちたりと、苦労人している人であった。
華やかな舞台の下で、こういう人達が頑張って支えている。
長年の苦労が報われるよう、一花咲かしてくれればと、応援したい気持ちになった。