会社の健康診断があった。
看護士さんとの問診で、胃の検査がバリウムでいいか、確認があった。
肩に注射されて、ゲップが出る薬を飲まされて、
ゲップを我慢しなさいと、不合理なことを言われる。
注射は、子供の頃から大嫌いである。
まずいバリウムを飲まされて、撮影機械の上でゴロゴロ回転して平衡感覚を失う。
「右から回って」なんて言われるけれど、どっちが右なのか、わからなくなってくる。
最後に下剤を飲まされて、白いウ〇コを出し続けなければならない。
午後はトイレのない場所へ行けなくなる。
飲み貯めた、ヤクルトの乳酸菌「シロタ株」も、腸から追い出されてしまうだろう。
そんな不幸の連鎖を考えると、少し我慢すれば終わる、胃カメラに心が傾いた。
シロタ君にも、迷惑がかからないだろう。
喉に麻酔をかけるために、薬でうがいをする。
「よく、うがいしてね」なんて言われるけれど、
バリウムと同様に、体によくない物は受け付けないものである。
スプレーでさらに、喉の奥に麻酔を吹きかけられる。
ちょっと痺れる、悪そうな液体だ。
呼ばれて内視鏡室に入り、運のなさを感じた。
黒い服を着た研修医が2人もいたのだ。
しかも、彼らがやるらしい。
練習台かい。
しかし、太い。
21世紀なのに、ナワトビの持つところくらいの、太さの胃カメラ。
横を向いて寝て、ゲーゲーやりながら自然に涙が流れ、
出したり入れたり、明らかに手間取りながら、長時間内臓を公開する。
キミタチ、良い医者になってくれよと願いながら、早く終わってくれることも願う。
ぐったりして、健康診断が終わり、不健康になって帰るのだ。