11時頃現場を抜けて、近くの内科クリニックへ行く。
駐車場で看護婦さんが、雪かきをしている。
中に入ると、別の人が待合室の掃除をしている。
今日もすいている。
すぐに呼ばれて、気さくな70歳くらいの先生と
「おぅ! また ダメ か」と、問診が始まる。
19時頃、現場から会社に戻って仕事を片付けていると、
ばあちゃんから、「母さんが吐きながらうずくまって動けない」と連絡が来る。
慌てて実家に行き、日赤の救急外来へ連れて行く。
ボールから顔を上げられない状態が続く。
真っ黄色な液を吐いている。
具合が悪いくせに、「あんたは夕飯食べたのかい」とか「仕事が忙しいのに」とか
「妹が帰ってくるから部屋を暖めないと」とか、人の心配ばっかりしている。
ようやく呼ばれてベットに横たわり、検査用に採血して点滴してもらう。
救急外来は混んでいる。
先生達も疲れて大変そうで、合間に椅子に座ったまま居眠りしている。
隣には、自殺未遂で薬を大量に飲んだ少女が来たらしい。
話は出来るようだ。
「命を粗末にするな」と叱ってやりたかったが、精神的に疲れているようだ。
母さんは、点滴や薬のおかげで落ち着いてきた。
「あんたに助けられたね」なんて言われたが、
オレはその何千倍も助けられている。
23時半、2人で病院を出た。