講習会があり、東京へ行った。
昼休み、小さなビルの地下にある定食屋にフラリと入る。
「庖丁処 治平」
思いもよらず、15席ほどの店内は満席でびっくり。
3種類の定食があり、どれも900円。
ちょっと高い・・・
カウンターに通され、一番上に「名物 角煮定食」と書いてあったので、それを注文する。
すぐに前菜とお茶が出され、続いて味噌汁・ご飯が置かれた。
味噌汁を飲む。
濃くてうまい。
ご飯を一口。
「あぁーーー」
一口でうまいとわかる、モッチリとしたご飯。
ご飯で感動しているうちに、メインの角煮が出てきた。
角煮の横に茹でた野菜が添えられ、鮮やかな緑色が食欲をそそる。
後ろの2人がけのテーブルから、話し声が聞こえる。
頑固そうな店主の親父が、その2人に言った。
「待ってる人がいるから、終わったら席を空けて下さい。」
小さな店では、限られた昼のかき入れ時の回転率が全てである。
素早く手抜きのない、うまい料理を提供してくれるのだから、客はそれに応じるべきである。
親父は正しい。