雨水の縦樋(たてどい)の施工は、建築さんの仕事になることがほとんど。
しかしトラブルが起きると、配管のプロである設備屋に相談が来る。
最近多いのが、マンションなどの雨水の縦樋が割れたという修理依頼。
なぜ割れるのか?
一昔前のビルは、鉄管で配管していた。
割れることは、ほとんどない。
ここ十年くらいの間に建てられたビルは、
硬質塩化ビニール管を使用していることが多い。
鉄管に比べて材料費が安く、軽くて施工が楽で施工費も安い。
厳しい予算の中で、コストを下げるために選択されたのだろう。
ビニール管では、各階のベランダなどから出る枝管と本管をつなぐ、
継手(チーズ)が割れてしまうのだ。
ビニール管は、温度変化による伸縮が大きい。
管が伸びた時に逃げ道がなく、弱い場所である継手を割ってしまう。
また、日光の紫外線で劣化する。
ビニール管は、屋外の雨水管に適していないのだ。
修繕が難しい高層階では、なおさらである。
割れた場合、修理するための足場設置費が高額になるからだ。
高所作業車で届かない場所は、下から仮設足場を何段も組まなければならない。
舞空術が使えればいらないけど・・・
きちんと材料の特性を理解し、適材適所で使わないと。