何をやっても、ダメな日がある。
朝起きて、商工会で出店するための検便があることを思い出す。
便器の水たまりの中にトイレットペーパーを多めに入れ、
素早くウンコを排出して、容器の棒でウンコをかき取る作戦。
棒の先に付いたウンコを、慎重に容器へ格納して一安心。
スマホを見ながら、残りのウンコを出しきって、ジャーっと流す。
流す…… おやっ! 流れん。
詰まってしまったではないか!
落ち着いて、もう一度。
やべっ! 便器のフチ ギリギリまで水面が上がる。
あふれる寸前で止まった。
茶色い水の中で泳ぐ、僕のウンコたち。
オニギリの海苔か、ワカメが浮いている。
自分では久しぶりの、ラバーカップ。
自分のウンコは、他人のウンコよりも嫌である。
朝の忙しい時間なのに……。
ポコポコポコ、見事に3回目で流れてくれた。
腕は衰えていないようだと、嬉しくなる。
会社に来て、昨日1日かけて打っていた会計のデータが開かない。
マジか……。
自動でとってあったバックアップデータがあったので、一安心。
あれをもう一度打つのかと思うと、ゾッとした。
最初のうちは
「チッキショー!」と 小梅太夫みたいに怒ってみるが、
だんだん「またか……」と笑えてくる。
そして、ここまで手の込んだことをするのかと、
感心できるようになる。
そうなれば、悪い日も楽しく乗り越えられるもので。